20220204

 丸の内まで出て買い物。東京駅は駅構内でも移動距離が長く激しく疲れるのであまり行きたくないんだけど、購入したいものが丸の内の店舗にしかなかったので気力を振り絞った。来てしまえば駅も街も綺麗でそれなりに楽しい。欲しかったものを無事手に入れて、ついでに丸善本店に寄る。来るたびに思うけど、3階の照明がムーディーすぎる。間接照明がすごい。うろうろしているうちに、高校生の頃からいつか読みたいと思っていた本の存在を思い出す。石田五郎の「天文台日記」という本で、装丁がきれいで印象に残っていた。探してみると一冊在庫があったので、買った。もう一冊、アダム・ヘイズリットという作家の「あなたはひとりぼっちじゃない」という本が欲しかったけど、どうやら絶版になってしまったようでどこにもなかった。

 駅のホームで電車を待っていたら、かわいらしい小さな女の子が寄ってくる。ほっぺたが真っ赤。片手にうさぎのぬいぐるみを持ち、何かこちらに向かって喋ってくれたけどうまく聞き取れなかったので、とりあえず笑い返しておく。その後やってきた電車に興味が移った女の子は走っていってしまい、ただ笑顔の私だけが残った。

 電車内で先ほど買った本でなく持ってきた本を開く。河出文庫から出ている須賀敦子全集の1巻。小さなバッグに入らなかったので、コートのポケットに入れていた。冬はこれが出来るから良い。大学生の頃から、冬になるとこの全集を順番に読み返すことが多い。何度読んでも新鮮に「好きだ」と思う。もう何度も読んでいるはずなのに、読み終えるのが勿体無いと感じる。

 自宅の最寄駅に着き、地上に出るとあまりの寒さに驚いた。身を縮こませて早足で帰る。